六本木ヒルズで開催中のシャネルの展覧会に行ってきた。

「la Galerie du 19M Tokyo」。パリにあるシャネルの複合施設「le19M」が手がける国際プロジェクトの第2弾。未知の世界の展示ということで楽しみにしていたけれど、これが想像以上だった。

特に印象深かったのが最初の会場である「11のメゾンダールが集う祝祭空間」
会場に入ってすぐに驚きの空間が広がっていた。
(メゾンダール=フランスで「芸術的な手仕事」を行うアトリエ(工房)のことみたいです)

天井から吊るされた布地やサンプル。床やテーブルに並ぶ道具たち。
これ、全部11の工房から集められた本物の素材や道具たち。
建築家の田根剛が会場構成を手がけてるらしいけど、空間の作り方が本当に見事だった。

高層階からの東京の眺めを背景に手仕事の世界が広がってる。この対比が面白い。都会の真ん中で人の手による丁寧な仕事を見る。その対照的な風景が、むしろ手仕事の価値を際立たせてる感じがした。

刺繍のルサージュ、柔らかい布地を扱うパロマ、ビスポークシューズのマサロ、帽子のメゾン ミッシェル、ジュエリーのゴッサンス。それぞれが専門性を持った工房で、約700人の職人がこのle19Mに所属してるらしい。

並べられてる道具とか素材を見てると、それぞれの工房の仕事の丁寧さが伝わってくる。針や糸、本当に細かい道具がたくさんあって、これを使って一つ一つ手で作り上げていくんだなって。デジタルで何でもできる時代に、こういう手仕事の世界が今もちゃんと残ってて、しかも進化し続けてるっていうのがすごく嬉し苦なった。

この「le Festival(祝祭)」っていう名前もいい。
まさにそんな雰囲気で、職人たちの技術と情熱を祝福するような空間になってた。


他の展示も見応え十分だったけど、かなりの長文になりそうなのでこの辺で。
展覧会を見終わって思ったのは、手仕事って単なる「古いもの」じゃなく、技術が継承されながら常に新しい表現を模索して進化しているなと感じた。伝統と革新のあり方が大切。この二つは対立するものじゃなくて、むしろ一体なんだと感じた。手仕事だけでなく、デザインを含めたものづくりの世界もそうだよね。

それにしても「le Festival」の空間は、本当に素晴らしかった。
あの空間にいるだけで、職人たちの仕事への敬意と情熱が伝わってくる。
シャネルというブランドを支えてるのは、こういう人たちなんだなって思い、今までシャネルに興味がなかったのだけど、世界で認められる意味が少しわかった気がしました。

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